マイクル・コナリー著 『DESERT STAR』の訳を続行する

 バラードはより温かい歓迎を期待してたかのように眉をへの字にした。

しかし、ボッシュは昨年の例の事件の顛末のあとで、バラードがそんな仕草をする理由が分からなかった。

「フィンバー」バラードは言った。

「何?」ボッシュは言った。

「分かるでしょ。フィンバー・マクシェイン」

「フィンバーがどうした?」

「フィンバーはまだそこらへんにいる。あなたは自分の正しさを証拠立てて述べたい?それとも、ただ自分の怒りを主張したい?」「何のことを話しているんだ?」「もし私を入れてくれれば、あなたに言いましょう。」

ボッシュはちょっとためらったが、一歩さがり腕を上げ、しぶしぶバラードに入るよう合図を送った。

バラードは入って来て、ボッシュが座っていたところのテーブルのそばに立った。

「音楽はないの?」バラードが訊いた。

「今日は音楽なし」ボッシュは言った。「で、マクシェイン?」

バラードは、話の要点に入らねばならぬことを理解して、うんうんと頷いた。

「ハリー、未解決事件の担当になったところなの」

「俺が最後に聞いたところによると、未解決捜査のチームは解散になった。制服組を張り込ませることほど大事じゃないからね。」

「そのとおり。でも状況は変わっていく。部署は未解決事件のプレッシャーのもとにある。ジェイク・パールマンが誰だか分かるでしょ?」「市議会議員」「ジェイクは本当のところあなたの担当でしょ。ジェイクの妹がずいぶん前に殺害された。事件は未解決のままよ。ジェイクは選出された。そして捜査班は解散し、未解決事件を捜査する者は誰もいない。」

「で?」「で、私はかぎつけて、提案をしに警部のところに行った。強盗殺人課から未解決捜査班へ異動よ。」「自分の意志で?」「いいえ。だから私はここにいるの。10階は同意したのよ。捜査班は予備刑事、有志、請負、そして正規警察官の私から構成されているの。私にはアイデアがなかったの。別の部署は数年間同じモデルを使用してたのよ。そして事件を解決してる。良いモデルよ。実際のところ、私が考えた理由はサンフェルナンドでのあなたの仕事のことだったの。」

「君はこのチームで俺を求めてる。俺は予備刑事ではない。俺は体力テストはパスしてない。10分以下で1マイル走れるかい?忘れろよ。」


ゆるゆる警備員日誌

中年の警備員男子です。徒然なるままにケイビな日々を綴ります。

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